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MWF:仮説と検証

従来の E メイル研究は個人レベルでの最適化が中心 (?)

Email の研究において,workflow または flow ということばがつかわれる [Siu 06] [Ven 01]. 通常 workflow といえば複数のひとにまたがる仕事のながれを意味しているが,この文脈においては,ひとりのひとの作業のながれを意味しているようである. これは,Email の研究において個人をまたがる作業の最適化がめざされてこなかったことを意味しているとかんがえられる.

Whittaker ら [Whi 96] 以来,ひとびとがメイルをどのようにつかっているのかが観察され,複数のひとにまたがる現象も観察されてきた. それにもかかわらず,提案され,試作されてきた機能のほとんどは個人レベルでの最適化に関するものである. そこでは,workflow ということばが workflow systems などにおいて通常使用される意味でつかわれてこなかった,したがって,メイルだけではとじないコラボレーションのレベルでの最適化がめざされてこなかったとかんがえられる.

追記:
このエントリーは 「仮説と検証」 に分類してあるが,これは従来の研究が個人レベルにとどまっていることを検証する目的ではない. 個人をまたがる研究をさがすことが必要である. それがみつからないとき,または従来の研究に十分でない点がみつかったとき,それがあらたな研究テーマとなる.

参考文献

  • [Ven 01] Venolia, G. D., Dabbish, L., Cadiz, J. J., and Gupta, A., “Supporting Email Workflow”, Technical Report MSR-TR-2001-88, Microsoft Research, December 2001.
  • [Siu 06] Siu, N., Iverson, L., and Tang, A., “Going with the Flow: Email Awareness and Task Management”, ACM CSCW '06, pp. 441-450, 2006.
  • [Whi 96] Whittaker, S. and Sidner, C., “Email Overload: Exploring Personal Information Management of Email”, CHI '96, 1996.

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2007-05-04 16:19 に投稿されたエントリーのページです.

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