シェードが交換できる 3D デザイン電球の開発

LED 電球のカバーは通常はパチッとはめこんだうえで接着剤をつけるようになっていますが,デイシンの店で販売している 3D デザイン電球は接着剤だけでカバーと電球本体をつないできました. しかし,この方法ではカバー (ランプシェード) だけを交換することができません. 交換を希望するお客様が存在し,寿命のみじかい LED もあるので,カバーを交換する方法を開発する必要がありました. 3D 印刷に適したカバーの交換法として,ネジを使用した方法をようやく開発しました.

3D デザイン電球を販売開始した時点では,お客様に対して LED 電球は長寿命だからシェード (カバー) だけ交換する必要はないと説明していましたが,そうでないことがわかってきました. LED 電球はかならずしも寿命がながいとはかぎりません. とくに現在使用している中国製の電球は日本の大メーカーのものにくらべると寿命がみじかいことがわかりました. また,使用法によっては電球のなかに熱がたまるため,さらにみじかい時間できれてしまいます. 熱がたまりやすい方法で使用したお客様からは半年くらいできれたという報告もうけています.

寿命がみじかい場合が多いとシェードを交換できるようにする必要が生じてきますが,これまでの製造法では交換ができませんでした. 通常の LED 電球がそうであるように,シェード (カバー) のコストが安ければ電球全体を交換するほうが適当です. しかし,シェードの直径が 10 cm 以上にもなるとそれを 3D 印刷するには数 10 分以上の時間がかかり,シェードのほうが電球本体よりはるかにコストがかかります. そういう場合にはシェードだけ交換できるようにする必要があります. 通常の LED 電球には基本的にはカバーをパチッとはめるようになっているので,接着剤をつけなければカバーを交換することができます. しかし,3D デザイン電球においては専用の材料がつかえないために接着剤だけでカバーと電球本体をつないできました. そのため,それらをしっかり接着する必要があり,シェードだけを交換することができませんでした.

昨年くらいから交換の必要を感じてきたのでそれをどうやって実現するかが課題でしたが,その解決策が最近になってやっとわかりました. それは,電球本体とシェードの両方にネジをきる方法です. 最近まではほかの方法をかんがえてきましたが,3D 印刷で丈夫につくれて,しかも容易にかつ確実にはめられる方法がわかりませんでした. プラスティック部品どうしを結合するには,ツメをつけてパチっとはめこむ方法がよくつかわれていますが,比較的丈夫な従来製法 (射出成形) でつくったものでも,しばしばツメがこわれてしまいます. 無理なちからをかけなければこわれないはずですが,ツメにはどうしてもつよい力をかけがちです. LAN や電話のモジュラ・プラグもツメによって固定するようになっていますが,それらがこわれる原因の大半はツメにあります (左下の写真はモジュラ・プラグの例). ツメをつかわずにしっかり固定する方法はなかなかおもいつきませんでしたが,やっとネジをつかえばよいということをおもいつきました.

modularPlug.jpg taperedScrew.jpg

通常のネジはふとさが一定ですが,それが変化するテーパ・ネジをつかおうとかんがえています. ふとさが変化するといっても,通常のテーパ・ネジのふとさの変化は右上の写真のようにわずかです.

しかし,電球で使用するにはもっとふとさを変化させるほうがよいとかんがえて,つぎの写真のようなテーパ・ネジを試作しました.

CIMG1968partS.jpg CIMG1970partS.jpg CIMG1972partS.jpg

最初の写真はネジをはめこんだところ,2 番めはシェード側,3 番めは本体側の写真です. 極端にふとさを変化させるとネジどめができなくなってしまうので,かなりぎりぎりのかたちにはなっています. このようなかたちのテーパ・ネジをかんがえているひとつの理由は,これによって電球の 3D 印刷部分全体を「波のモデル」というひとつの単純なモデルだけで構成できることです. このネジによって,電球本体を数回まわすことで,無理なちからをかけずにシェードをしっかり固定することができます. 製品化するにはもうすこし検討が必要であり,もうすこしモデルを複雑化してテーパのないネジを採用する可能性もありますが,いまのところはこのテーパ・ネジを採用しようとかんがえています.

このブログ記事について

このページは、Yasusi Kanadaが2019年5月17日 08:02に書いたブログ記事です。

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