受注生産商品の部品の在庫管理法を開発中

| コメント(0)

デイシンの店では螺旋 3D 印刷をつかった商品を多数,受注生産しています. 受注した商品は通常,3 日以内に製造・出荷していますが,このようなやりかたはネットショップでは通常おこなわれていないので,それを在庫管理するしかけもモールにはありません. また,一種類の部品を多数の商品で使用していますが,このような部品の在庫管理のしくみも,もちろんありません. そのため,これまでは在庫管理をあきらめていたのですが,うまく管理する方法をおもいついたので,それを開発しているところです.

いうまでもないことですが,在庫管理をきちんとしていないと,出荷可能でない商品の注文がやってきます. そういうとき,お客様にいちいちおことわりする必要がでてきます. 店側だけでなく,お客様にとってもことわられるより事前に在庫がないことがわかったほうがよいにきまっています.

ベンダのなかにはモールの店舗向けにクラウドで「くみあわせ商品」の在庫管理機能を提供しているところがいくつかあり,その機能が部品の管理にもつかえることに気づきました. このような機能の価格は在庫管理を通常のやりかたで使用する店には適当なコストで導入できるようにきめられているとかんがえられます. しかし,螺旋 3D 印刷の特徴のひとつはかんたんに商品の種類をふやせることです. 種類をふやした結果として販売数のすくない商品の種類が多くなると,このようなクラウド・サービスの利用でコストがかさみます. そこで,部品とそれをつかった商品の在庫管理ができるようにデイシンの店の商品構成を大幅変更するとともに,管理するためのしくみをためしに自社開発しているところです.

部品とそれをつかった商品の在庫管理のためには,つぎの 2 つのしかけをつくることが必要です. 第 1 に,部品の在庫数を製造可能な商品の数 (「潜在数」とよびます) に反映させることが必要です. 部品在庫が n であれば,それを 1 個だけ使用する商品の潜在数は n になります. また,それを p 個使用する商品の潜在数は n/p (きりすて) になります. この潜在数を在庫数としてモールに登録することになります. 第 2 に,商品が売れればモールに登録した在庫数は減少しますが,売れた商品の在庫数だけが減少するので,それを部品の在庫数や他の商品の潜在数に反映させる必要があります. 部品の在庫数がかきかえられれば,第 1 のしくみで商品の潜在数はかきかえられます. また第 3 に,部品をデータベースで管理する必要があるので,それをかくれた商品として店のシステム (モール) に登録します. ただし,これは部品データベースがほかにあれば必須ではありません.

上記のようなクラウド・サービスでは頻繁に在庫管理のプログラムをうごかして在庫数を調整するようになっていますが,デイシンでは上記のしくみをうごかすための適当な (仮想) サーバをもっていないので,あまり頻繁に調整することができません. しかし,いまのところは 1 種類の部品をつかった商品がそれほど頻繁に売れてはいないので,1 日 1 回くらい調整すればなんとかやっていけるのではないかとかんがえています.

このように在庫調整のために自前のプログラムを動作させるようになると,あわせて仕入れの管理もやりたくなります. つまり,在庫水準があるところまでさがったら仕入れをうながすようなしくみも,あわせてつくりたいとかんがえています.